To Be a Good Company
People of TOKIO MARINE

各分野のプロと連携し、グローバル物流の安定化に取り組む。

グローバルコース

安藤 彩 Aya Ando

損害サービス部門 2016年入社 法学部卒

東京海上日動の損害サービスの中枢を担い、世界各地の物流工程で発生する貨物事故の調査、復旧、交渉、保険金支払いを実行し、スムーズに解決に導く業務を担当。入社2年目、マレーシアで貨物のロスプリベンション・サーベイを実施。石灰石の採石と輸送に立ち会い、現実のリスクと向き合う当社の使命を再認識する貴重な体験を得る。

自ら積極的に動き、事案をコントロールする姿勢。

私の所属するコマーシャル損害部は、日本国外で発生するクライアント企業のあらゆる事故に対して、保険金支払いをはじめとする損害サービスを提供する部署です。扱う事業分野は、航空、船舶、宇宙開発、プラント建設から大規模PL訴訟まで多岐に渡り、世界中に所在するクライアントのビッグクレーム(大口事故)を解決に導く、損害サービスの中枢部門です。その中でも私の担当は、日系大手企業の国内外物流において、貨物に生じた事故をスムーズに解決に導くことです。取扱品目は機械、穀物、パルプ、化学品など非常に多岐にわたり、取引国も欧米、東南アジア、中南米など世界中に拡がるため、私のもとには世界各地からの事故に関する情報が集中します。事故内容によっては、第三者機関によるサーベイ(現地調査)が必要であり、特に海外で発生した事故においては、現地のクレームエージェントと連携して事故状況の調査や情報収集を行います。それらの情報をもとに適正な保険金を迅速にお支払いするリードをしていくこと、事故からの復旧や相手方との交渉について適切なアドバイスを行い、事故をスムーズに解決に導いていくことが私のミッションになります。入社当初は専門用語の多い膨大な情報を限られた時間で読み解くことに苦労しました。社外関係者との連携が不十分だったために支払いが遅れ、クライアントをお待たせしてしまったこともありました。案件管理システムを活用して進捗管理は十分に行っていますが、クライアントからすれば時間が経つほどに不安をもたれるのも当然のこと。この出来事から、クライアントの視点に立って自ら積極的に動き、一つひとつの事案をリードすることの重要性を再認識しました。

マレーシアで石灰石採掘場から本船までのロスプリサーベイを実施。

入社2年目の9月、マレーシアでの貨物ロスプリベンション・サーベイを行いました。ロスプリベンションとは、物流現場を調査し、事故そのものを防止・低減するソリューションを提供するコンサルティングサービスです。今回依頼を受けたクライアントは、パルプコーティング用の石灰石を各国から輸入しており、マレーシアから到着する石灰石に汚れが目立つという課題を抱えていました。輸送中の汚れは保険金支払いの対象になりますが、このような度重なる貨物のダメージを減らすため、汚れの原因調査を行いました。
事前にクライアントや連携機関との調整を行い、現地の石灰石の専門知識をもった検査員に同行の上、マレーシアでの視察を実行しました。まず、岸壁のような採掘場で岩を爆発させて石灰石を掘り出し、近くの工場で粉砕して石灰石の山を作って野積みしていく工程を査察。さらに、それらをトラックに積んで陸送し、港の本船に積み込むまでの搬送状況を追跡しました。検査員と検討した結果、野積みの石にトラックの汚れたタイヤが乗り上げることで汚れが付着し、石灰石をトラックの荷台に移す際に汚れが付着した石灰石も紛れてしまうことと、本船へ積込みをする際に作業員が土で汚れたスコップを使っている点が主な原因ではないかと分析しました。これらのサーベイの結果をもとに、物流工程改善策を提案し、クライアントに大変喜んでいただきました。今回のサーベイは、単に事故に対して保険金を支払うだけではなく、事故を未然に防止していくことこそが、リスクを解決する当社の重要な使命であることを再認識する貴重な体験となりました。

自分を飾ることなく、あくまでも誠実に向き合うこと。

貨物の事故にはさまざまなケースがあり、とくに海外の案件では日本の環境では考えられないような事故内容に遭遇する場合もあります。損害サービス対応を行う私たちには、あらゆるケースの事故原因や損害の程度を迅速かつ正確に理解し、的確な対応を行うスキルが求められます。私も入社2年目に海外クレーム代理店への留学と海外現地サーベイを体験しましたが、現場で経験を積むことは、プロとして専門性を高めていく上で非常に重要であり、日々の業務にも直接的に役立つことを実感しました。私自身、帰国後は、書類上の専門用語や石灰石のようなバラ積み貨物が本船に積み込まれる様子が頭の中で正確にイメージできるようになりました。
そして、日々の業務においてはクライアントおよび社内外の関係者に対して誠実に向き合うことを大切にしています。まだまだ経験が足りないため、クライアントや先輩社員から教えていただく機会が多く、自分を飾ることなく積極的に聞く姿勢を心がけています。
私にとってのプロとは、「専門性を活かして、クライアントのニーズに臨機応変に応えられる人」。国内外問わず、さまざまな現場に出向いて知識、経験を蓄え、自分の力をクライアントの安心のために役立てていける損害のプロになりたいと思っています。

※仕事内容および所属部署は取材当時のものとなります。