To Be a Good Company

海外研修で培った力を、
新規事業の創出へ。

6年目

佐井 倭裕 Kazuhiro Sai

  • 経営戦略部門(新規事業)
  • 2016年入社
  • 工学系研究科卒
  • #グローバルコース
  • #4〜7年目
  • #理系
  • #グローバルな仕事
  • #経営戦略
  • 2016年
    入社 本店営業第五部 海外課配属
  • 2019年
    海外トレーニー駐在員(米国)
  • 2021年
    東京海上ホールディングス㈱ 経営企画部 事業戦略室

※年次・仕事内容は取材時のものです。

2年間の海外研修でDX(デジタルトランスフォーメーション) やビジネスオペレーションの効率化などのプロジェクトを担い、誠実さや主体性を持った姿勢があれば海外の優秀な人材の中でも通用することを実感。様々な経験を確かな土台に新規事業の創出に挑む。未来の東京海上グループをつくるために。

グローバルな舞台で活躍したい。
思いを胸にアメリカの子会社2社で経験を積む。

私が現在所属する事業戦略室は、保険の領域にこだわらず新規事業創出に注力する組織として2021年4月に新設されたチームです。東京海上グループの将来の成長を担う新しい事業を探し出し、育てていく非常にダイナミックな業務です。現在は、様々な領域の事業に関して調査を行い、東京海上グループのパーパスに照らして、取り組むべき事業か、私たちの強みを活かして成長を描ける事業かなど、日々議論しています。
私はもともと、新規事業に関心がありましたが、同時に、グローバルな舞台でも活躍したいという思いを抱いて入社しました。最初に配属された部署では、日本を代表するグローバル企業の海外事業を支えるリスクマネジメントなど、ソリューション提案を行っていました。業務を通じて海外志向はますます強くなり、当時から海外で働きたいという思いを周りに伝えていました。

2019年、念願叶って海外研修制度に参加することが決まりました。海外採用の従業員を主な対象とする海外研修制度のひとつで、グローバルな視野を養うためにアメリカの若手従業員を主な対象に近年始まった制度です。第二期生として日本からは私を含めて2名が参加しました。ファイナンスやアクチュアリーなど、自分の追求したい専門分野に応じて世界中にあるグループ会社のうち数社に駐在します。私の専門分野は、イノベーションを切り口とした業務プロセスの改革。米国フィラデルフィアとヒューストンにある2つのグループ会社内で、イノベーションに関わる複数の部署をローテーションしながら2年間、業務にあたりました。英語がそこまで得意ではない上にIT知識も乏しい状況で挑んだ海外研修。コミュニケーションに苦労する中で、DXやビジネスオペレーションの効率化などの業務に携わるのは非常に大変でしたが、これまでにない貴重な経験となりました。

CIOから直々にプロジェクトをまかされるなど、
2年間で数多くの貴重な経験を得る。

海外研修で最も素晴らしい経験となったのは、お世話になっていたグループ会社の事業部のCIO(Chief Information Officer)から、直々にひとつのプロジェクトをまかされたこと。事業部内のとある業務プロセスについて、そのオペレーションの改善をPresidentから命じられたCIOが、「カズにまかせてみれば」と指名してくれたのです。10人のチームが口伝で行っていたとある業務を効率化できないか、人員も減らせるのではないかという目論見がCIOにありました。まず、現状把握から問題点を洗い出すために、各メンバーに業務の様子を見せてもらい、インタビューも行いました。駐在中にオンラインで受講していたMBA(経営学修士)で学んだ手法を採り入れ、お客様とのコミュニケーションや裁判所とのやりとりを含む複雑な業務プロセスを図式化し、どこに時間がかかるのか、非効率なのはなぜかを明確化。約4ヶ月で調査レポートと具体的な改善策を提示することが出来ました。上司にも適宜相談しながらではありましたが、プロジェクトのスタートから最後まで自分一人で進め、結果的に、PresidentとCIOにとても高い評価をいただき喜んでもらえたことは、他では決して得られない大きな自信になりました。

英語でのコミュニケーションもままならない赴任直後の状況から、上司やチームメンバーからの信頼を得て、よりチャレンジングな仕事を任せてもらえるようになった経験も貴重なものとなりました。この研修では数カ月ごとに部署を異動することが決まっていましたが、あまりに期間が短く、私自身の経験も、チームへの貢献も中途半端になるかもしれないと感じていました。そこで、着任してすぐに自分が主体的にその業務を進められるように、次の部署に異動する前から、私にアサインされた業務に関する情報やノウハウを収集したりするようにしました。着任後は議事録をとるなどの些細なことから自分が出せる付加価値を追求し、同時に研修生である私を受け入れてもらっていることへの感謝とともに「お客様として来ているわけじゃない。やり遂げたい」と、思いをぶつけてきました。その結果、限られた期間の中でCEOに直接プレゼンをする機会を得たり、受け入れ先の上司が人事に直訴してローテーション期間が延びるというようなことにつながりました。さらに、研修生という立場を活かして、社内の様々な人にキャリアの相談やその会社に関する質問をたくさんしたことで、直属の上司以外にもメンター的な役割として応援してくれる方ができました。2つの会社をローテーションする中で、次に向こうの会社に行くならあの人を紹介するよ、という感じでサポートしてくれる方がどんどん増えていき、人のつながり、応援してくれる人の大切さを心の底から実感しました。

世の中をワクワクさせるような新規事業を創出、
未来の東京海上グループをつくっていく。

アメリカで2年間過ごしたわけですが、途中からはコロナ禍となり、ほとんどフィラデルフィアのアパートからのテレワークでした。週末に電車でニューヨークに行って、ジャズやミュージカルに触れるなど、アメリカの空気を楽しむことができましたが、コロナで行動が制限され、長期の旅行は1回だけ、フロリダまでのロードトリップでした。青森から鹿児島に相当する距離を車で走破したのは良い思い出です。トランプ政権の終焉、ジョージフロイド事件に端を発した暴動やデモなど、大国アメリカが非常に難しいバランスの中にあることと、国民の持つ凄まじいエネルギーを実感する日々を過ごしました。
アメリカの職場では、オープンで話しやすい雰囲気の中、思ったことを互いにきちんと伝える文化。そして、同僚や友人との交流では多様な人種とジェンダーなど、ダイバーシティ&インクルージョンを肌で感じることができました。

2年間の研修を通じて、グループ会社の経営者とお話ができたことも貴重な経験です。経営という、非常に多角的な視点が求められる専門性に触れる事ができました。海外研修を終えて、2021年の10月から現在の事業戦略室で働いています。今は新規事業の種を探し、様々な観点で事業としての将来性を分析しています。その際に必要となるのは、その事業は当社がやるべきものなのか。その事業に生かせる東京海上グループの強みは何なのか。その業界で勝つには何が必要か。そんな会社経営者としての目線です。大企業内での新規事業開発に携わる中で、経営者目線という専門性を磨きながら、世の中をワクワクさせるような新規事業を自らの手で創出し、未来の東京海上グループをつくっていきたいと考えています。