To Be a Good Company

保険の根幹をつくる、
数理のスペシャリスト。

4年目

頓所 史章 Fumiaki Tonsho

  • アクチュアリー部門
  • 2018年入社
  • 工学系研究科卒
  • #グローバルコース
  • #4〜7年目
  • #理系
  • #アクチュアリー
  • 2018年
    入社 個人商品業務部 ヘルスケア室
    第三分野グループ配属

※年次・仕事内容は取材時のものです。

数理のスペシャリストとして、収益管理、既存商品の改定および新商品開発における保険料設定、決算業務などを担う。入社2年目にして、難易度の高い新商品開発における保険料算出に異例の抜擢。周囲のサポートを受けながら、半年の年月を経て見事やり遂げた。

確率・統計などの手法を駆使して保険料を算出。
数理のスペシャリストとして活躍。

個人商品業務部は、傷害保険、海外旅行保険、医療保険、がん保険、介護保険など、個人向けの保険商品・サービスの開発・管理を行っている部署です。私の業務は、数理チームのアクチュアリーとして、収益管理、既存商品の改定および新商品の開発における保険料設定、保険引受のリスク計算、決算業務などを担当しています。アクチュアリーとは、確率論や統計学などの数理的手法を使って、将来のリスクや不確実性を評価する数理のスペシャリストです。
保険料設定に関しては、例えば傷害保険の場合、事故がどのような確率で発生するのか、保険金は定額なのか、事故の損害に応じて変わるのか…など、様々な要件を加味して妥当な保険料を算出することから始めます。社内で承諾を得た後に、金融庁へ届けて許諾を得るというのが業務の主な流れとなります。

金融庁では、三つの原則をもとに審査が行われます。算出額が数学的に正当かどうかの「合理性」、保険金額の収益性とユーザーの購入しやすさのバランスをみる「妥当性」、すべての保険加入者にとって平等かどうかの「公平性」。いずれかの原則で水準を満たしていないと判断されると、再審査になります。私は、保険金額の算出から数理チームの上司、営業担当、商品部などの関係各所における調整、金融庁への説明までの一連の業務を担当しています。保険の根幹をつくり、社会にリリースされて多くの人々の安心安全を支える。その役割の大きさが仕事のやりがいとなっています。業務プロセスの中で、保険約款やシステムなどの専門スキルをもつ多くの方々と思いをひとつにして任務を推進し、数理の担当者として信頼され、それに応えることに大きな喜びを感じています。

入社2年目で新商品開発を担当。
周囲のサポートを受け半年かけて壁を乗り越える。

これまでのキャリアで最も成長につながった経験は、入社2年目で新商品の開発をまかされたことです。経験の浅い若手は、新商品開発より既存商品の改定を担当することが圧倒的に多いのが現状です。既存商品の改定は、保険金の改定について、過去のデータをもとに導くことが基本となるのですが、新商品の開発では、当社に現存する過去のデータがないので、難易度が格段に上がります。入社2年目にしてこの大役が果たせるのか。かつてない緊張の中での業務となりました。
開発する商品は、企業の従業員が怪我や病気で働けなくなった際の所得喪失に備える団体長期障害所得補償保険。当社の過去データはもちろん、一般に公表されている統計にも保険料算出にそのまま使用できるデータはありません。そのため、怪我、病気が発生する一般統計と怪我、病気が継続して仕事を休み続ける確率など、様々なデータを組み合わせてみなし推計を行い、保険料水準を決定する必要がありました。その際は、データの確証性やみなし推計の妥当性などを多面的にチェックし、何度もロジックを練り直しました。

その中で「正しい答えを導き出せているのか」と不安に思うことがありました。そんな時、先輩が声をかけてくれて親身になって話を聞いてくださいました。当時の私は、不安を一人で抱え込むことが多かったのですが、先輩から様々な指摘を受けて視界がパッと広がるのを感じました。的確なアドバイスが大きかったのはもちろん、先輩にどういう点で煮詰まっているのかを伝えることで、自分の中で問題点が整理されたのも奏功したと思います。試行錯誤しながら上司や先輩のサポートを受け、半年かけて商品化に成功した経験は、かけがえのないものとなっています。若手のうちから困難な業務をまかされ、それを周囲がサポートすることで成長を促進させる。そんな環境が当社にはあたり前のようにあると思います。

新しい保険商品が次々と生まれる時代。
アクチュアリーの活躍領域は大きく広がる。

大学時代は、工学系研究科で鉄鋼材料破壊の研究を行っていました。鉄鋼材料の破壊がどのようにして起こるかを研究することで、機械や構造物の強度や安全性に貢献する学問です。研究室の同期は、鉄鋼メーカーに進むケースが多いのですが、私はより社会との関わりが深い業種を志望して保険会社や商社、メーカーなど幅広くみていました。当社のインターンに参加してアクチュアリーの方と出会ったのがアクチュアリーという職業を知ったきっかけです。理系の強みを活かせる上、保険の開発を通して多くの方々の生活に寄与できる点に惹かれました。アクチュアリーは、公益社団法人日本アクチュアリー会が実施する第一次試験、第二次試験に合格すると同会の正会員として認定されます。私は、現在第二次試験突破に向けて勉強中です。資格試験に向けた会社の支援は万全で、毎年試験の数ヶ月前に当社の正会員が模擬試験を作成し、詳細な添削・採点までしてくれます。難関を突破した正会員による模擬試験はとても参考になる上、添削・採点の際は結果を踏まえての有益なアドバイスもいただけます。会社の会議室を使い、合同で試験勉強をすることもあります。同じ目標をもつ仲間と一緒に切磋琢磨したり、正会員の先輩に傾向と対策を教えていただいたり、貴重な時間を過ごせます。

まずは、アクチュアリーの正会員になることが直近の目標。そして、社内での信頼関係をもっともっと広げて様々な商品開発をまかされるようになりたいです。1年目にメンターをやっていただいた先輩は、数理から始まり、約款、システムへと積極的に担当領域を広げています。ひとつの担当領域にとどまると、多角的な視点は得られないと考えています。尊敬する先輩を見習い、担当領域を広げることで商品開発とはどうあるべきか、より高い視座を獲得していきたいと思います。自動運転やドローンなど、数々のイノベーションに伴い新しい保険が次々と生まれてくる時代、アクチュアリーの活躍も大きく広がることが予想されています。世の中を変えるような画期的な商品の開発にも携われるよう、より多くの人に信頼されるアクチュアリーになりたいと、思っています。