To Be a Good Company

日本企業の物流を支える
大きなやりがい。
多様性のある欧州で
確かな成長を実感。

5年目

伊藤 正貴 Masataka Ito

  • TM Claims Service Europe Limited(TMCSE)
  • 2017年入社
  • 経済学部卒
  • #グローバルコース
  • #4〜7年目
  • #損害サービス
  • #グローバルな仕事
  • #海外駐在員
  • 2017年
    入社 コマーシャル損害部 国際物流第二グループ
  • 2020年
    TM Claims Service Europe Limited(アムステルダム駐在)

※年次・仕事内容は取材時のものです。

東京海上日動の貨物損害サービスの専門子会社、TMCSE社で日本を代表する家電メーカーをサポート。英国の海上保険法にも精通し、弁護士などのエキスパートと対等に話せる専門性を磨く。民族、言語、宗教、文化が交錯する欧州で確かな成長を実感している。

オランダの貨物損害サービスの専門子会社で
欧州、中東、アフリカ各国の損害サービス体制を整備。

私は現在、オランダのアムステルダムにあるTM Claims Service Europe Limited(TMCSE)社に駐在しています。TMCSE社は、東京海上日動の貨物損害サービスの専門子会社として、貨物がいかなる場所にあっても、その損害を調査し、円滑な保険金請求手続きが行えるように、欧州、中東、アフリカ各国における損害サービス体制を整えることがミッションの一つ。各国に現地の言語で損害サービスを行う貨物損害サービス代理店(以下、クレームエージェント)がおりますが、お客様のご要望に応じてカスタマイズされた、迅速・丁寧な東京海上日動品質のサービスがクレームエージェントを通じてもご提供できるように、クレームエージェントを定期的に巡回訪問して監査や指導を行い、サービス品質の更なる向上を図っています。

具体的には、経営者・マネージャーとの面談を行い、組織体制や全体のオペレーションについて確認し、また保険金をお支払いした過去の事故案件を対象に支払いに要した時間や対応の履歴などを点検し、より高いサービス品質の実現に向けた指導を行います。

過去の事故データを基に事故の防止・削減のための施策を提案し、お客様の物流品質の向上に貢献。

TMCSE社は、駐在員6名を含む総勢27名の組織です。私は、日本を代表する家電メーカーを主に担当しています。保険金のお支払いはもちろん、グローバルな物流品質の向上も大きなミッションです。事故の多い物流ルートはどこか、物流を担う運送業者の荷役品質はどうか、どのようにコンテナに荷物を積み込めばリスクを低減できるか、など多様な切り口から貨物を安全かつ予定どおりに各国へ届けるためお客様と協力しています。物流品質の改善には、地域特性を踏まえて考える必要がある点は面白さの一つです。たとえば、品質についてマーケットがそれほど厳しくない国では、輸送中の箱のへこみやちょっとした傷は許容されやすい傾向にありますが、欧州では少しの傷がすぐにクレームに繋がるケースが多いため、そのことを理解した上で、どのような事故防止対策が必要なのかを提案していきます。

その際、ロスデータチームという事故情報を取り扱うチームとも連携することが多いです。過去の膨大な事故データが蓄積されており、ロスデータチームのデータ分析のもと、お客様に事故の防止・削減のための施策を提案するなど、緊密に連携しています。
お客様の本社、欧州統括拠点、当社の本社など様々な立場の関係者の間に立ち、指揮をとり、合意形成を担うのが駐在員としての私の主な役割です。世界中に多様な商品を展開するグローバル企業であるお客様は、欧州の事情だけに鑑みて物流・保険施策を策定するわけではありません。欧州統括拠点のお客様とも連携し、欧州側の事情も考慮しながら目標達成に向けて必要なアクションプランを検討していきます。常にお客様の立場に立ち、同じ社員のような気持ちで欧州におけるスムーズな物流に貢献したいと考えています。

英国の海上保険法や最新判例・慣習にも精通。
弁護士などのエキスパートと対等に話せる専門性も必要。

広く国際間を輸送する物品を対象として、その輸送途上における様々な危険をカバーするという貨物保険の特性上、事故は世界中で発生します。その責任の所在や事故の対応は、関連する国際条約や、貨物保険の世界的中心地である英国の法律解釈に準じて対処するケースが多々あるため、国際法や英国の海上保険法、最新判例・慣習についても精通しておくよう、普段から研鑽を重ねることも私たちの役目です。個々の事故で判断が難しいケースでは弁護士の知見をお借りする場合もありますが、その際も保険のプロとして、弁護士と対等に話し、お客様に説明できるだけの専門性が求められます。そういう緊張感の中、チームで価値をお届けすることで、日本を代表する企業を支えているという実感があることは、大きなやりがいです。アムステルダムで生活している日々の中で、自分が担当した企業の製品が売り場に並んでいるのを目にすると、嬉しいですね。日本企業が世界へ躍進することに貢献したいという思いは、日本にいる頃から抱いていましたが、自分が海外に出るとその思いはさらに強くなりました。

民族、言語、宗教、文化が交錯する欧州。
コミュニケーションの大切さを改めて痛感。

民族、言語、宗教、文化がモザイクのように交錯する欧州において、様々な立場の人の間に立つポジションにいることを通じて、コミュニケーションの難しさ、大切さを痛感していますが、日本とは異なる視点での学びがあります。
たとえば、日本の企業で長く働いていると、メンバー間でこと細かくコミュニケーションをとらなくても、以心伝心で仕事が進むケースがあります。これはいいことでもあるのですが、海外では通用しない面もあります。あるプロジェクトを担当した際に、「これくらいなら細かく説明しなくても大丈夫だろう」と業務の進め方・ゴールを明確に伝えなかった結果、最終的なアウトプットが思い描いていたものと大きく異なってしまったことがありました。日本でもタスクの明確化や期限の設定は必須ですが、色々な立場の方が色々な国にいて、色々なことを考えているこの地でプロジェクトを指揮するなら、社内外問わず、「こうしたい」というメッセージを強く発信し、明確な合意形成を行うことが必要だということを、身をもって学びました。

そういった経験をしながら現在、アムステルダムに赴任して3年目です。欧州はたくさんの国が地続きで接しており、その多くでは出入国の規制もないので、最近は月に2、3回くらいのペースで、物流倉庫や港などの現場やお客様のオフィスに足を運んでいます。荷揚げの様子や物流倉庫での作業を見ることで、初めて気がつくリスクや事故防止対策がありますし、お客様と一緒に汗を流して信頼関係が結ばれることもあります。現場は、私にとって新たな発見と成長の場です。
入社以来、一貫して国際物流に関わってきましたが、今後も各国で貨物保険に携わりたいと考えています。高品質の製品をいち早くエンドユーザーに届けるという日本メーカーのミッションが、一つの事故で断ち切られてしまう。その危うさをカバーし、寄り添っていけるのが貨物保険だと思います。日本企業の物流担当者の皆様と一緒に、国際物流の未来に向けて歩んでいきたいと考えています。