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1:トレーラーへの積込み作業
列車の上段に注意
列車の上段の端に載せた製品(自動車)は、列車中央部よりも揺れが激しく、傷ついた物が多かった。 列車の中の製品の積込み方を改善する、あるいは固定方法を変更するなどの工夫が必要。

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2:船への積込み作業
走行スピードのわずかな違いで傷がつく!!
自動車を船に積み込む時、天井に傷がつくことがあった。よく調べてみると、あるスピード以上で船に乗り込もうとすると、自動車がハネて天井にぶつかるのだ。
絶対にぶつからないスピードを計算し、速度制限を徹底すれば、間違いなく傷はつかなくなる。

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3:船のレイアウト
ひとまず安心!!
搬入・搬出にロスの少ない形
自動車専用船の中の自動車を並べるカーデッキは 広くかつ整然としていた。搬入・搬出にもロスのないレイアウトであり、他の荷物が自動車に倒れてきたり、火災の原因となる危険物なども置かれていなかった。

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4:天候の変化によるリスクの変動
ラップガードに小石が…
自動車は裸のまま輸送される。雨が降った時の酸性雨対策としてラップガードを貼る。最新の技術が詰まった貨物ではあるが、最も原始的な手法で輸送されるのである。唯一の防御が、ボンネットなどの車体に貼られるラップガード。酸性雨や小さな擦り傷防止に効果がある。ところが、風でラップガードが剥がれたところに小石が飛び込んで傷をつける場合があることを発見。
ラップガードの素材、あるいはガードの仕方の改善が必要。事故はささいなことから起こる。貨物保険のプロだからこそ拾いあげることができたリスクだ。

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5:船員の服装
時計や指輪が車体を傷める!!
自動車のボディに、ほとんど目立たないが、小さな引っかき傷がついていた。よく見るとテキパキと働く船員たちは、みな腕時計や指輪をしたまま作業をしている。知らないうちに、時計や指輪でボディを傷つけていたらしい。
そこで作業時の服装を見直すことに。腕時計や指輪は作業時には取りはずす。作業服はジッパーなどの金属部分が表面に現われないオーバーオールを採用してもらった。完璧な形で商品を届けるためには、小さな傷も見逃してはならないのだ。

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6:運送業者
プロの運送業者にもケアレス・ミスは起こる
プロの運送業者にもケアレス・ミスは起こる 貨物の輸送は通常プロの運送業者に依頼する。しかし、プロの運送業者であっても、実際の輸送に携わるドライバーがスピード制限を守らずに事故を起こしたり、荷扱い時に大切な貨物に傷をつけたりというケアレス・ミスが起こる。
大事なことは、運送業者が実際に運送に携わる第一線の社員に事故防止意識を徹底させること。荷主からは、運送業者にこの旨繰返し要請し、実践し、効果をあげている業者に運送を任せるといった対応策が必要。

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7:喫煙所
ひとまず安心!!喫煙管理の徹底が事故を防ぐ
喫煙所がきちんと設けられていたため、作業中に喫煙する者はいなかった。船の火災を防ぐためにも、また、吸殻や灰で自動車のボディを傷めないためにも、喫煙管理の徹底は大切なこと。自動車の近くや、船の至るところに吸殻が落ちている場合は、要注意だ。