上司・柏木賢治の 語句解説
「大学で貿易実務を学んだ人には馴染みのある言葉だね。どちらも国際貿易でよく用いられるもので、定型取引条件の内容のことだ。FOBは、例えば国内で船に製品を載せるまでは売手が保険をかけ、海上及び現地輸送に関する保険は買手が引き受ける形。それに対してCIFは、国内輸送・海上・現地輸送の全区間の保険を売手がかけ、海上以降の保険料を買手に請求する形だ。わかるかな。
CIFだと、売手側が輸出入の全行程において保険を一括してコントールできる。しかしFOBだと、船に乗るまでと船に乗った後では、保険契約者が異なるため「どこで事故が起こったんだ!!」とモメごとが起きる可能性が高いわけだ。体力のある企業なら、CIFの条件で取引の主導権をにぎっていたほうが、仕事がスムーズに運ぶんだよ」