仕事の現場

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安定した海上物流を実現する。

確かな損害サービスの提供を通して
現代日本の豊かな高度消費社会をサポート。

  • 井上登紀子 損害サービス部門(88年入社)
  • 井上登紀子

    損害サービス部門
    (88年入社)

<取材当時の内容です>

業務と戦略1

多様な貨物と複雑化するリスクに対応した

質の高い損害サービスで、お客様の信頼に応える

様々なモノが行き交う現代社会。その多種多様なモノの流れが私たちの生活を支え、豊かにしている。その「モノの流れ」を根底で支えているのが井上たち貨物保険のスペシャリストだ。井上登紀子が所属しているのは、運送されるモノのリスクをカバーする保険(国内外の「貨物保険」)に関わる損害サービスを提供する部署である。業務は大きくて分けて2つ。1つは万が一の事故により、貨物に損害が生じた際に、迅速かつ適正に保険金をお支払いする仕事。もう1つが貨物事故を防止するために、様々なアドバイスを提供するロスプリベンション・サービスである。
「貨物保険」には、「外航貨物海上保険」と呼ばれる、国際間を海上もしくは航空で輸送される貨物の保険と、日本の沿岸海域を海上輸送される貨物の「内航貨物海上保険」、日本国内を陸上・航空輸送される貨物の「運送保険」がある。保険の対象となる貨物は、原油や木材などの原料から、食糧、化学品、自動車、機械類まで、その種類は多種多様である。カバーされる事故も、タンカーの衝突やコンテナ船の火災・座礁のような海難事故から、輸送中の荷崩れ破損事故や水濡れ事故、更にはBSE等の輸入検疫に関わる事故、貨紙幣・有価証券の盗難事故、美術品の破損事故まで、極めて多岐にわたる。
「貨物保険にかかわる損害サービスの特徴は、多様さと複雑さですね。貨物の種類と輸送手段の多様さ、それに伴うリスクの複雑さ。例えば、船で貨物を運ぶ場合でも、その貨物の種類によって輸送方法が違ってきます。当然、それに伴いリスクも異なります。
更に国際間で取引される貨物ですので、国際貿易や運送契約に関連する知識も必要となります。このように、保険約款や海事関連法規だけではなく、貨物そのものの商品知識や国際貿易に関わる様々な関連知識が必要になり、事故原因の究明から保険金支払にいたるまでには複雑な検討が必要になります。この多様さと複雑さが、この仕事の面白さだと思っています。」

業務と戦略2

迅速・適正な損害サービスと事故を未然に防止する、

高度なロスプリベンション・サービス

通常、損害サービス部門の主な業務は、万が一の事故の際に、迅速かつ適正に保険金をお支払いすることであるが、そのプロセスは簡単ではない。
「例えば、タンカーと貨物船の衝突などの海難事故が発生すると、海事関係の損害調査専門会社であるマリンサーベイヤーを派遣し事故調査を行うと共に、救助報酬の仲裁裁定や船主宛求償に備えて海事専門の弁護士と方針の打合せ・検討なども行います。こうした海難事故は高度な専門知識や経験が必要であり、すべて終結するまでに数ヵ月から数年かかることも。自らヘルメットをかぶって船内に入り、専門家と共に状況を確認するなど、事故現場に出向いて、損害状況を把握することもありました。このように私たちは、海事弁護士や損害調査会社など、パートナーとも言える優秀な専門家集団と連携を取りながら、事故を解決に導いていくのです。」
井上の仕事は、事故の解決だけでは終わらない。事故が発生した場合、お客様が被った損害は保険で対応できるが、失った信頼は保険では取り戻せない。まさに企業が抱える大きなリスクと言える。このリスクを軽減させていくこと(つまり事故防止を行なっていくこと)こそが井上のもう1つの大切な業務である。これは、ロスプリベンション・サービスと呼ばれ、過去の膨大な事故データやリスクの分析を行ない、お客様に対して事故防止を提案するサービスなのだ。輸送過程における問題点やリスクをお客様に指摘し、輸送手段や荷積み方法などの改善を提案するなど、お客様と共に、事故防止に取り組んでいる。
「ロスプリベンション・サービスは、損害サービスの中でも極めて重要な業務です。お客様も気付かなかったリスクを見つけ出し、その防止対策を提案することで、事故を未然に防ぐ。それがロスプリベンション・サービスの重要な役割です。当社には膨大な事故データと、これまで培ってきた高度な事故分析ノウハウがあります。それに基づいたロスプリベンション・サービスは、他社の追随を許さないアドバンテージがあると自負しています。貨物やその輸送手段が多様化する中で、ロスプリベンションの果たす役割は極めて大きいと思います。」
貨物やその輸送手段が多様化すれば、当然、それに伴うリスクも複雑化していく。井上たち、損害サービス部門に求められるスキルは、貨物輸送に伴う高い専門性と新たなリスクを発見していく感性と洞察力である。

ビジョン

自身の高度な専門性と経験を活かしスペシャリスト集団を育成する

井上は入社以来、一貫して貨物保険の損害サービス業務に関わってきたスペシャリスト。現在はリーダー(管理職)として、損害サービスやロスプリベンション等の付加価値サービスを遂行する各担当者の指導・サポートを行っている。
「損害サービス部門の仕事は、極めて専門性の高い仕事ですから、お客様に質の高い損害サービスを提供していくためには、社員一人ひとりの能力やスキルをいかに高めていくかが重要な課題となります。専門性の維持・拡大を図るために、各種の研究会・勉強会を推進し、スペシャリストを育てていくことも、私の重要な役割です」
更に井上は、損害サービス部門の立場から、お客様のニーズを反映した新商品や東京海上日動のノウハウを活用した新サービスの開発検討プロジェクトを推進する役割も担っている。貨物輸送に関するリスクに精通した井上たちだからこそできる提案。「損害サービスは決して、事故後の業務だけではありません。様々なリスクを熟知しているからこそ、ロスプリベンションや新しい商品やサービスの開発に重要な役割を果たすことができるのです。」
井上は今後も、損害サービスのスペシャリストとして、そして損害サービスのスペシャリスト集団を育成していくことを通じて、お客様の真のニーズを反映した新商品やサービスの開発に貢献していきたいと考えている。

井上登紀子の職場

企業を対象とする損害サービス部門の中で、井上が所属するセクションは輸出・三国間輸送に関わる貨物保険の損害サービスを担当している。各担当者はお客様である企業ごとに、事故時の損害サービスやロスプリベンション・サービス等の付加価値サービスの提供を行っている。それに加え、損害サービスの立場からの、新商品・サービスの開発にも貢献している。井上のセクションの特徴は、何と言っても貨物保険が対象としているリスクの多様さ・複雑さである。それゆえに高度な専門性とコンサルティング能力が要求される。現在、メンバー全員が意識しているのは、損害サービス部門の仕事は保険金を迅速かつ適正にお支払いするだけでなく、事故を最小限に止めるということ。その想いがお客様からの信頼につながり、お客様とのWIN-WINの関係を作り出している。

※上記は取材当時の内容です。

TOPICS:記憶に残る言葉

「解決できない課題はない」

損害サービス部門は高度な専門性を要求されますので、時として自分の能力に限界を感じるようなことが多々あります。そんな時、常に思い出している言葉です。「解決できる力があると期待されているからこそ、与えられている課題なのだ」と信じて、困難な壁に立ち向かうこと。実際、解決できない課題はありません。誠心誠意、努力していけば、必ず活路は開けるものです。もちろん、日々、壁との戦いとの連続ですが。だからこそ、事故解決の後に、お客様からいただける喜び、感謝の言葉が大きな励みともなります。また、こうした繰り返しが自分の大きな成長につながっていくと思っています。