仕事の現場
長年培われてきた
クライアントとの信頼関係をベースに
プロの「仕事力」を発揮する。
槻木清道
コマーシャル営業部門
(04年入社)
<取材当時の内容です>
私の所属するコマーシャル営業部門は、石油・ガス・電力といったエネルギー関連企業をクライアントとしている部署。そのなかで私は主に石油エネルギー企業を担当しています。エネルギー業界の抱えるリスクは、巨大かつ複雑です。その上、他業界にはない特殊性を有しています。
石油プラントにおいてひとたび事故が起これば、設備や装置といった資産規模が大きいため、その損害は想像以上のものになります。更に最悪の場合、操業停止ともなれば売り上げにも甚大な影響を及ぼすことになります。その「リスクの規模」は数千億から数兆円規模、クライアントの経営を揺るがすほどです。
そしてもうひとつが「リスクの特殊性」。石油精製工場では複雑な製造過程を経て、原油からLPG、ナフサ、ガソリンなど多種多様な最終製品を生産してるために、製造プロセスに事故が発生すると、その影響の範囲を把握することが非常に難しいのです。こうしたクライアントの抱える「巨大かつ複雑なリスク」と対峙するなか、クライアントの永続的な経営を創り出すことが、私の最大の使命です。まさに「クライアントの100年後を守る」という感じですね。
エネルギー業界のリスクマネジメントには、高度な専門性が求められます。リスクが顕在化し、ひとたび事故が発生すれば、大規模な損害となる可能性も高く、クライアントの経営にも大きな影響を及ぼします。だからこそ、過去からクライアントの経営を守るという思いのもと、リスクのプロとしてあらゆるリスクと対峙し、自分たちが出来る限りのソリューションを提供してきたのです。
一昨年、クライアントのプラントで火災事故が起きた際に、「プロ」としての責任の重さを痛いほど実感しました。事故発生の報告を受けた私は「損害サービス担当」「損害査定の技術的な専門家」等で構成されたチームを引き連れ、現地へ駆けつけました。私の最大のミッションはクライアントの100年後を実現すること、現地に到着するまで「自分が洗い出していないリスクがあったのか」「ソリューションの提供が不十分だったのか」様々なことが頭を過ぎりました。事故は幸いにも大事に至りませんでしたが、到着後すぐに、今回の火災事故の原因調査を行いました。
無事に原因調査を終え、工場の施設責任者に挨拶に伺った時にいただいた言葉は今でも私の心に深く刻まれています。
「東京海上日動の方が十数年前にこのプラントで大爆発事故があった時も今日のように駆けつけ、単に事故対応をするのではなく、今後のリスクを軽減すべく真剣かつ迅速に、製造ラインや製造プロセスなどの調査・分析をされていたのを思い出しました。その時のプロとしての姿勢は今でも当社の役員はじめ社員の中でも語り継がれていますよ。今後ともよろしくお願いしたい。」
これまでの先輩たちの「100年後のクライアントの経営を実現したい」という想いが「クライアントとの確かな信頼関係」になっていることを実感し、本当にうれしかったですね。また、同時に歴代の先輩たちのDNAを受け継ぐプロとしての責任の重さにとても身が引き締まる思いがしたことを今でも覚えています。
現在、エネルギー業界は、これまでの石油エネルギーから太陽光発電などの次世代のエネルギーへの転換期にあります。石油に代わる新たなビジネスモデルをいかに構築するかがエネルギー業界全体の大きな課題となっています。まさに歴史的な転換期を迎え、私たちもその対応に向け、日夜、熱い論議を行っています。
それは「次世代のエネルギーによるビジネスモデルにおいて、あらゆるリスクを踏まえ、どのようにしてクライアントのリスクマネジメント体制を構築していくか。」というもの。当然、新たなビジネスモデルには未知のリスクが潜んでおり、それに対するソリューションも変化してきます。新たなリスクをどのように分析、評価をし、カバーしていくか。クライアントとの「長年の信頼関係」を礎にクライアントの変化に速やかに対応し、新たなコンサルティング&ソリューションを提供することが求められているのです。
最初の配属はパーソナル営業部門。パーソナル営業での経験は私の営業の原点でもあります。営業や保険の基礎を学びながら、30もの代理店を担当し、様々な営業推進や経営指導を行いました。サラリーマンでありながら、経営的な視点でビジネスにかかわることによって、保険知識以外の様々なことを学ぶことができました。また、代理店やお客様に対しても、人対人という側面が強く、学生時代とはまったく異なる自律性や独立心を養うことができたと思っています。
今後のキャリアビジョンとしては、パーソナル営業部門や現在のコマーシャル営業部門で培った経験や知識を武器に、世界の舞台で自分の力を試すこと。BRICsの1つでもあるブラジルなどで一から保険マーケットを開拓するような仕事に携わりたいと思っています。
槻木の所属する部署は、石油・ガス・電力といったエネルギー関連企業をクライアントとしている。現在、エネルギー業界は「石油エネルギーから次世代のエネルギーへ」という転換期にある。そうした転換期のなかで、次世代のエネルギーによる新たなビジネスモデルに対応したリスクマネジメントを構築するために、課一丸となって新たなチャレンジに取り組んでいる。現在、マネージャー(管理職)以下総勢11名。課の雰囲気は和気藹々として、前向きで積極的な社員が多く、つねに活気に満ちている。すべての社員が同じ業界をクライアントにしていることもあって、成果の達成感をともに喜べるというのが大きな特徴だ。また共通する問題点や課題も多く、情報を共有することでチーム一丸となって取り組む姿勢というのも、槻木の所属する部署のもう一つの特徴である。
TOPICS:記憶に残る言葉
「成果をあげる人のタイプなどない。共通点はなすべきことをなす能力だけである」
この言葉は経営学者のドラッカーの言葉です。パーソナル営業部門から現在のコマーシャル営業部門に異動した当初、それまでのパーソナル営業とは異なり、クライアントに対してどう対応してよいのか分からず、あまり成果を挙げることができませんでした。クライアントにどう対応すべきか、どうしたら成果を出せるのか。そんな悩みに汲々としていたときに、出合ったのがドラッカーの言葉でした。特別なことをするのではなく、一つひとつやるべきことをやっていけば、自ずと成果はついてくるのだ。この言葉に非常に勇気づけられました。今も、何か壁に突き当たったときは、思い出すようにしています。