就活応援コーナー

採用担当者が語る自分を知る

人事企画部
採用チーム
佐戸 めぐみ

『自分を知る』

就活成功へ向け、1つ目のSTEPとして、非常に大切な『自分を知る』ことについてお伝えします。
就活のスタートにあたって、皆さんの間では誰もがやる当たり前のこととして「自己分析」という言葉が使われています。
就活では「自己分析が大切」「自己分析をしないと就活はうまくいかない」と言われているようですが、そんなことは誰が決めたのでしょうか?最近は「自己分析」についてマニュアル本も氾濫し、自己分析を面接通過のツールとして考えている方も多いようです。
私たちが見ると視点が外れているものも散見され、皆さんが目的と手段を理解できずに、面接通過のために「自己分析」をすることを危惧しています。面接通過のために「自己分析」を行うことは意味がありません。社会人になるこの機会に「自分自身を深く知る」「自分の過去を棚卸する」ことが大切なのです。

なぜ『自分を知る』必要があるのか?

それでは「何のために『自分を知る』必要があるのでしょうか?」
前回の『就職活動を始めるにあたり』で就職活動の目的は、内定をとることではなく『プロとして活躍できる企業に出合うこと』とお伝えしました。 そのために最も重要なことは「自分自身のDNA」と「企業のDNA」とのマッチングです。このマッチングを行う上で必要なことが「自分を知ること」であり、「企業を知ること」なのです。

どのような視点で『自分を知る』のか?

「自己PRのネタ探し」や「自分の歴史の振り返り」といったことを表層的に行うのではなく、過去のさまざまな経験を振り返り、その時どのように考え、どのような環境に身をおき、どのような動機で行動をしたのか、等を自分自身で深く丁寧に思い起こしてみることが重要です。以下のような視点で思い起こしてみて下さい。

STEP1

経験をリストアップする

過去の経験から自分の力が発揮できたこと、楽しく取り組めたこと、充実感を感じたこと、また反対に、自分には合わなかったこと、強いストレスを感じたこと、結果が出せなかったことをリストアップする。

リストアップした取組みを下記のような軸に基づいて、自分自身がどのタイプであったかを分析する。

STEP2

タイプ別に自己分析する

人間関係
  • 新しい人間関係を築いていくことが好き
  • 既存の人間関係の中でより関係を深めていくことが好き
  • 限定された人間関係の中にいることが好き
実行の主体
  • 人に任せず自分で実行する
  • 筋書きを描き、計画作成を行うが実行は人に任せる
対人アプローチ
  • 自分からアプローチすることを好む
  • アプローチしてくる人に対応するのが得意
実行の形態
  • 正確性よりも斬新性を好む
  • 斬新性よりも正確性を好む
STEP3

目的意識を持つ

こうした分析の結果、「自分の力が発揮できた取組みに多く現れているタイプ」「自分に合わなかった取組みに現れているタイプ」を考え、整理することが「自分自身のDNAを知る」ことにつながります。 「自分を知る」ことを通じ、「自分自身のDNAを知る」だけでなく、多くの気づきを得ることができるはずです。必ず「目的意識」をもって自分自身をより深く知り、気づきを得て、自身の成長にもつなげて下さい。

就活支援コラム1

「やりたいことが無いとだめなのか」

「面接ではその企業でやりたいことが言えないと落とされる!」「社会に出てやりたいことを考えるのが自己分析の中心」というようなことが書かれているものを良く見かけます。
そういうものに影響されてか、聞いてもいないのに「私が御社に入社させていただいて、やりたいと思っていることは・・・」と面接で力説する学生さんに、よく出会います。
でも、こういう話に出合う度「本当にそうですか?」と思ってしまうのです。
社会に出てからの経験や出会いはとても刺激的でスリリングです。また、社会に出てからの時間は、学生の皆さんが今まで生きてきた時間より長いのです。「とりあえず、こんなことからやってみたい」ということなら理解できますが、学生時代に自分のやりたいことを決めるというのは、ごく一部の人を除けば無理な相談ではないかと思います。また、無理にやりたいことを考えなければと自分を追い込んでしまうと、自分の可能性を狭めてしまうことになり、大変危険だと思います。
「でも、面接でその企業でやりたいことが言えないと落とされるんだからしょうがないじゃないか」という声が聞こえてきそうですね。採用担当者がこのような質問をする意図はおそらく次の2点だと思います。1つ目は、内定を出したときに本当に入社してくれる気があるか見極めたい場合で、会社のことをしっかり調べているかどうかを知ろうとしているのです。2つ目は体のいい圧迫面接をやりたい場合です。まだ体験したことも無いことを聞いているわけですから、「そんなもんじゃないんだよ・・・」と言いやすい、要は正解なんてないのです。
だからこそ、面接で聞かれるから、やりたいことを考えなければならないなんていう不毛なことに惑わされずに、自己分析(自分とはどういう場面で活躍できる人間か)、企業研究をしっかり行っておけば問題ないと思います。